平間至 × ATSUSHI (Dragon Ash / POWER of LIFE) 対談 <後編>

「塩竈のため=東北のため」ということでもあるから
もっとその意味を込めていきたい

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ガマロックの繋がりが石巻、大船渡、大槌へと広がりつつある

———「今年もガマロックがあるから頑張ろうぜー!」って思ってもらえていること。9月20日の開催を発表した3月11日もたくさんの反響がありましたし、みんな待ち遠しく思ってくれているんだなと実感しました。

ATSUSHI:その発表があった午前0時に塩竈にいたんだけど、塩竈のガマロックチームと一緒に過ごしてて、なんかよかった。「あー、発表になって、ここから始まるのか」と。

平間:俺はいられなかったけど、大晦日みたいな感じかなーっていうのが塩竈から伝わってきた。

ATSUSHI:そうそう! さぁ、今年も始まるぞ、と。表現の仕方が難しいけど、3月11日が辛い思い出となるほうが多かったりするじゃない。その日がちょっとずつ方向転換じゃないけど、そうなっていってもいいなと思う。

平間:一番悲しく、でも一番うれしい日になれたらいいよね、3月11日が。

ATSUSHI:不思議な感じだった。3月10日には帆手祭で鹽竈神社に行って……。

平間:そうだよね、震災の前日が帆手祭で。その流れがすごいよね。特別な意味を感じるよね。

ATSUSHI:もともと塩竈を拠点にしてやってきているなかで、もちろん塩竈のためにというのはずっと変わらないことなんだけど、「塩竈のため=東北のため」ということでもあるから、もっとその意味を込めていきたいなと今年は思っているかな。だいぶ基盤が作られたと思うし。

平間:例えばガマロックのスタッフが石巻に行ったりとか、岩手の大船渡、大槌に行ったりとか、そういうのが少しずつ自然に広がってきている感じがあるから、なんかうれしいよね。自分たちがやってきたことが広がりつつある感じ。

ATSUSHI:今年のガマロックはそういう意味で広がっていくんじゃないかな。無理矢理繋がっていくのではなく、自然に繋がっていった仲間たちだったら話が早いっていう。思っていることは一緒なんだし。

平間:七ヶ浜もそうだよね。そういう意味では。

ATSUSHI:七ヶ浜のみんなも協力してくれて本当に感謝だと思う。

平間:ATSUSHIがやるPOWER of LIFEとか、塩竈浦戸のりフェスティバルとか、塩竈でのイベントがうまくガマロックに繋がっている気がするね。

ATSUSHI:その流れがある程度できたということ。3月11日にはPOWER of LIFE、5、6月にのりフェスがあって、9月にガマロックがある。隔年ではフォトフェスがあって。みんなでその流れを作れたのは大きいんじゃないかな。

みんなが集まる場所を作れたことはうれしいし、
ずっとその場所を守り続けていきたい

———宮城県内から来る方もたくさんいると思いますけど、県外からもたくさんいて、塩竈を楽しんでくれていたり、ガマロックを楽しむことで、また塩竈に来たいなって思ってくれる人がいて、それって大きいなと思うんですよね。

平間:本当に大きいよね。昨年の細美くんのMCじゃないけど、「来年もし出演できなくても焼きそば屋でもやるよ」みたいな感じで言ってくれたりとか。そう言ってくれているのがとってもうれしいよね。

———そうですね。このインタビューの前日に坂本美雨さんがTwitterで……。

平間:見た見た!「万が一歌わなくても行きます!」って。

一同:

ATSUSHI:最高だね。

———アーティストにとっても特別なものなんだろうなって思いますよね。

ATSUSHI:みんなが集まる場所なんじゃないかな。そういう場が作れたことはうれしいし、ずっとその場所を守り続けていきたいとは思う。

———そういえば昨年のガマロックで初めて「ガマロックフラッグ」を作りましたが、たくさんの方々の協力を得て繋がれたフラッグが今年はどんなふうになるのか……。

ATSUSHI:昨年は市内の小学校や東北生活文化大学の方たちにオフィシャルでやってもらいましたが、今年は七ヶ浜の子どもたちにも声をかけてみようかと。いろんなところでみんなで作って増やしていこうっていうのはいいなーと。

———前日に設置したとき、自分が作ったフラッグを探しに来た子もいたとか。うれしいですね。

平間:何年で、本塩釜駅と会場を結べるまでになるか。楽しみだね。

———昨年の時点で、会場から合同庁舎ぐらいまで(200〜300mぐらい)でしたよね。

平間:そうだね、合同庁舎までだったね。合同庁舎というと、だいぶマニアックなランドマークだけど(笑)。あと、会場の入り口に飾ってあった、古紙を使ってコラージュした「OSAKANA」もよかったよね。

ATSUSHI:あと昨年は飾っていなかった看板は復活するんじゃないかな。あれはシンボリックな看板だよね。

平間:アスカオリが制作したんだけど、昨年は忙しかったらしくて。

ATSUSHI:あれは毎年の定番にしたいですね。

平間:公園に入ってすぐの石の横に置いてね。

———初めて見たときに、何でできているかわからなかったんですけど、実は発泡スチロールとPPバンドという梱包材でできているらしくて。あそこでみなさん、写真を撮っていましたよね。

ATSUSHI:2回やっていろいろわかったことも多いから、基本は継続してどんどん繋いでいきたいし、同じ物を使いながらプラスして。物を変えるというより、プラスしていくという発想でやっていきたいかなと思っています。やっぱり看板がないとしっくりこないなとか(笑)。

———そうですね。そしてワークショップも大盛況で、お子さんから大人まで楽しんでもらえましたよね。

ATSUSHI:タイムテーブル制にしてよかったよね。

平間:ワークショップの開催でいろんな人が関わったり、知り合いができたじゃない。時間制にすることによって、それもよかったんじゃないかな。

ATSUSHI:それらをマップにして配ったのもよかったよね。

———ワークショップのキャンドルもすごくよかったですよね。日が暮れるころにステージ下に灯されて。

ATSUSHI:キャンドルの飾り方にしていえば、WILDERNESS STAGEに全部飾っちゃえばいいかも。

平間:そのほうがいいね。

ATSUSHI:全部飾った後に照明を落として。最後はWILDERNESS STAGEに飾ったキャンドルを各自が持ち帰るかたちで。

———2012年のクリスマスイブに、六本木ヒルズアリーナで開催されたPOWER of LIFEのイベントで、たくさんのキャンドルが最後に灯されてすごくきれいでしたね。

ATSUSHI:キャンドル・ジュンくんのね。

平間:炊き出しとライブを行った2011年4月17日も、そのキャンドルから始まったからね。

———奇跡的に灯ったんですよね。

平間:そうそう。キャンドル・ジュンさんは、震災後、被災地のなかでは塩竈で初めて火を灯せた。やっぱりあの日は大きいよね。あれが原点で、そのまま規模を大きくしたのがガマロック。

ATSUSHI:ガマロックで作ったみんなのキャンドルを灯すことに意味があるんじゃないかなと思うし、それがいろんなところへ、何かしらに届いてくれればうれしいですよね。

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